過多月経
1回の月経では通常120~250mlくらいの出血があります。それ以上の出血の場合を過多月経または月経過多症などといいます。しかし、月経量は他人と比較することが困難なため、多いか正常かを自分で判断するのは難しいかもしれません。
目安としては、日中、普通サイズのナプキンで少なくとも2~3時間は保つのが正常と考えてください。夜用の大きなサイズのナプキンでも洩れてしまう場合や、1~2時間毎にとり替えなければいけないような場合は、量が多いと思った方がよいでしょう。また、月経量が多いと子宮や腟の中で塊(凝血塊)を作ります。
これは、レバーのような感じに見えます。通常の月経量では、このような凝血塊はせいぜい親指の頭くらいの大きさのものが数個出る程度です。しかし、量が増えてくるとピンポン玉大や、手のひらくらいの大きさのものが何個も出ることがあります。この場合は過多月経と考えた方がよいでしょう。
また、タンポンとナプキンを両方使わなければいけないような場合も量が多いうちにはいります。月経量が多いと体内でつくられる血液の量より失われる血液が多くなり、貧血になります。貧血は主に血液中のヘモグロビンという物質の濃度でみます。貧血の場合は造血剤を服用します。
過多月経があっても貧血が軽い場合は造血剤のみで経過をみることもあります。貧血がある程度以上であったり、量が多いことで患者さんが苦痛を感じている場合などは原因に応じた治療を行います。
月経量が多い原因としては次のようなことが考えられます。子宮筋腫や子宮腺筋症では月経量が増えます。大きさや筋腫の位置によってその程度が異なります。