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無月経の分類
1.視床下部性無月経

原発性:カルマン症候群、フレーリヒ症候群

続発性:体重減少性無月経、神経因性食欲不振症、キアリフロンメル症候群。 月経のサイクルは、脳下垂体という臓器から出される黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)というふたつのホルモンにより調節されています。

このホルモンは、さらに脳の中にある視床下部というところから出るLH-RHというホルモンで調節されています。強い精神的ストレスや病気、手術などの肉体的ストレス、急激な体重減少などがおこると、これらのホルモンが影響をうけ、月経がとまってしまいます。

40歳くらい以下の方で月経がとまってしまうのは、卵巣そのものよりも、これらのホルモンの分泌障害によることがほとんどです。一方、特に大きな原因がなくても、これらの分泌系統に異常がおこる場合はしばしばあります。

2.下垂体性無月経

原発性:先天性ゴナドトロビン欠損症

続発性:シーハン症候群 脳下垂体から出ているプロラクチンというホルモンが過剰なためにおこる無月経です。プロラクチンは、催乳ホルモンとも呼ばれ、乳汁の分泌を刺激するホルモンです。

妊娠中や分娩後はこのホルモンが増加しますが、妊娠していないのに、このホルモンの分泌が過剰になると月経が不順になったりとまってしまい、また、乳房から乳汁が分泌されることがあります。月経がとまって、しかも乳汁分泌があるような場合はこの病気だと思ってまず間違いありません。

原因は不明のことが最も多いのですが、脳下垂体にごく小さな腫瘍ができでいる場合もあります。この腫瘍はある程度までは薬でなおすことができますが、脳外科で手術が必要な場合もあります。ほかに、胃潰瘍や精神安定剤などの薬でもおこることがあります。

3.卵巣性無月経

原発性:ターナー症候群

続発性:卵巣摘出 卵巣は正常に働いているにもかかわらず、子宮に問題があって月経が来ない状態です。人工妊娠中絶や流産の後などで月経が止まってしまった場合は、子宮性無月経の可能性があります。

これは、掻爬などの処置により子宮の内腔が癒着してしまうためにおこるもので、癒着を剥離し、内腔を広げる処置が必要になります。著しく月経量が少なくなった場合も癒着がおこっている可能性があります。子宮の内腔の癒着は不妊の原因になります。

4.子宮性無月経

原発性:子宮奇形

続発性:子宮内膜症

5.腟性無月経

原発性:処女膜閉鎖症、腟閉鎖症

続発性無月経:視床下部、下垂体、卵巣、甲状腺、副腎、生殖器の機能異常によって起こります。こうした器官が機能異常を起こす原因としては、腫瘍(しゅよう)、自己免疫疾患、一部の薬物(幻覚薬、化学療法薬、抗精神病薬、抗うつ薬など)の使用などがあります。

ホルモンの異常を伴うクッシング症候群や多嚢胞(たのうほう)性卵巣症候群でも月経が停止したり、不規則になったりします。他の原因としては、胞状奇胎(異常な受精卵や胎盤から発生した腫瘍)、アッシャーマン症候群(感染や手術による子宮内膜の瘢痕化)があります。

精神的な悩みや周囲の状況によるストレスから、続発性無月経が起こることがあります。ストレスは脳がホルモンの分泌によって行う卵巣機能のコントロールに影響を及ぼすからです。過度の運動や極端な小食(神経性無食欲症など)も、脳による卵巣の調節に影響を及ぼします。

脳が、卵巣を刺激するホルモンの分泌を減らすように下垂体に信号を伝えるからです。その結果、卵巣からのエストロゲンの分泌量が減り、月経が停止します。